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 東京都荒川区の井口(いぐち)幸司(ゆきじ)さん(33)は2015年7月13日、夫の実事(みこと)さん(34)の立ち会いのもと東京都内の病院で3180グラムの陽夏乃(ひなの)ちゃん(2)を産んだ。

 生後4日目。幸司さんの目に入ってきたのは、新生児室でおむつ1枚の姿で点滴を受けるまな娘だった。小児科医に「大きな病院に行ってもらうかもしれません」と言われ、涙が止まらなかった。

 肝臓障害などによる黄疸(おうだん)を調べるビリルビン検査で数値が高かった。幸司さんは病室に戻ってスマートフォンで新生児の黄疸について調べると、胆道閉鎖症が出てきた。病名はまだ告げられていなかったが、信じたくなかった。

 陽夏乃ちゃんは翌日、救急車で東京大学病院(東京都文京区)に運ばれた。付き添い生活が始まった幸司さんは「生まれる前までは幸せだった。そこまで時間を戻すことができたら」と思った。小児外科の高橋正貴(たかはしまさたか)さん(37)が診ると、肝臓が少し硬く便の色が白かった。血液検査や超音波検査の結果、「新生児肝炎など他の疾患の可能性を考慮しつつ、胆道閉鎖症ではないか」と診断した。

 胆道閉鎖症は赤ちゃんに発症す…

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