[PR]

 森友学園への国有地売却問題で、学園前理事長の籠池泰典容疑者(64)と国との交渉内容とみられる録音データが明らかになった。「適正に算定した」とする国の説明に疑念が深まる内容だ。大阪地検特捜部は今後、大幅値引きをめぐる背任容疑の捜査に注力する。

 「どうぞ」。約45分間の音声データは、籠池前理事長の声かけで始まる。子どもの声、アナウンス……。朝日新聞がノンフィクション作家菅野完(たもつ)氏から提供を受けたスケジュール帳のコピーの記載や学園関係者の証言から、昨年5月、学園が運営する幼稚園での録音とみられる。前理事長夫妻と、担当の財務省近畿財務局職員とうかがえる男性2人が参加している。

 「一度、ごあいさつ兼ねて来ておいた方がいいかなと」。担当職員とみられる男性がゆっくりとあいさつする。前理事長が呼ぶ男性の名字は当時、近畿財務局で、学園との交渉を担当した職員と同じ名字だ。

 学園の小学校を建てるための土地の売却を「0円に近い形で」と迫る前理事長。それに対し、職員は最初から「1億3千(万円)」の数字を示した。

 国が学園に汚染土の除去費の立て替え分約1億3200万円を支払ったのは2016年4月。「1億3千は国が払っている。それよりも安い値段はとうてい出ない」。職員は除去費の額を売却額が下回ることはない、と説明する。

 前理事長夫妻は「ダイオキシン」による新たな土壌汚染が発覚したと主張するが、職員は「1億3千」を「ライン」と表現。「そこまでのラインというのは我々はやる」と言い切った。

 このやりとりの前の同年3月には前理事長が財務省国有財産審理室長と会い、当時、小学校の名誉校長だった安倍晋三首相の妻・昭恵氏の名前に触れて「早急な対応」を迫っていた。

 そして同年6月、国が学園に土…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら