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 好きになった同性と過ごした日々を表現した写真展「それは、愛?」が福岡市中央区の写真館「ALBUS(アルバス)」で開かれている。撮影したのは、福岡市在住の写真家木原千裕(ちひろ)さん(31)。自分たち自身を肯定するため、カミングアウトを兼ねて開いた。15日まで。

 木原さんは、体は女性で、心は男性でも女性でもなく、好きになる相手は女性が多いという。2014年から僧籍を持つ女性と交際を始めた。

 つきあって半年後、女性の親族から「周囲に説明できない」「寺として認められない」と猛反対された。木原さんは「自分は偏見を持たれ、差別される側だと気付いた」と言う。「宗教が救う人の中に性的少数者は入っていないのかと暗然たる気持ちにもなった」

 写真展の開催を思い立ったのは昨年。「差別されることを、『仕方ない』で済ませてはだめだ」。好きな人と堂々と一緒に過ごせない悔しさも後押しした。何より、2人で過ごした時間を写真展を開くことで肯定したいと考えた。

 写真展を開くことは、自らの性や性的指向をオープンにすること。これまでは、親しい友人以外、語ることもなく、語る必要性も感じなかった。だが、「カミングアウトして写真展を開くことで、少しでも世の中が変わればうれしい」と思うように。「『同性愛はおかしい』としているのは世の中。この世の中を作っているのは人間で、私もその中にいる。そう考えたら、作り手の一人として、性的少数者の若者が傷つかない世の中をめざさなければいけないのかなって」

 写真は全82枚。女性と出会ってからの2年半の日々が並んでいる。ソフトクリームをほおばる姿、スマートフォンを操作しているときの横顔……。福岡だけでなく、京都や熊本、高知など、2人で訪れた様々な場所でシャッターを切っている。木原さんは「あなたを撮りたい。ただただ、その気持ちだけで撮った写真。開催を了解してくれた彼女に感謝です」と笑う。

 13日休館。午前11時半~午後7時(最終日は午後6時)。無料。問い合わせはALBUS(092・791・9335)。(山下知子)