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(12日、日本ハム7―0楽天)

 「僕を見に来ているのかどうか、わからない」。大リーグのスカウトが視察に来るという話になると、日本ハムの大谷は無関心を装う。しかし、札幌ドームのバックネット裏に集った16球団、計32人の視線は間違いなく、ただ1人に注がれていた。スピードガンの放列を向こうに回して、背番号11が右腕を振る。

 立ち上がりから、投げ終わった後に右足が腰の近くまで跳ね上がる。体重が乗った球を投げられている証拠だ。一回は三者凡退。二回、茂木に対しての3球目には、今季自己最速の163キロを計測した。六回、先頭打者から中飛2本で2死として、78球。予定していた80球に近づいたため、わずか1安打で宮西にマウンドを譲った。

 投手として復帰した当初は、右打者の外角へ抜ける球が多かった。不安を抱える右足首が気になり、右足の蹴りが弱い。上半身と下半身のバランスも悪く、ボールを制御できていなかった。「少々どこかおかしくても、ポテンシャルが高いので抑えるかもしれない。でも、余計に力を入れると故障する」と吉井投手コーチ。投球練習で入念にフォームを確認してきた。

 公式戦では昨季、リーグ優勝を決めた9月28日以来となる白星に、「前回より投げ心地はよかった。そのおかげである程度球速も出たけど、自分のなかではそんなにいいボールがいっているとは思っていない」と大谷。ペナントレースがカウントダウンを迎えたさなか、二刀流の完全復活も、ようやく見えてきた。(山下弘展)

 ○栗山監督(日) 今季初勝利の大谷について、「(打者との)駆け引きまでいっていない。まだこれから」。

 ○横尾(日) 先制3ランは、札幌ドームでの初アーチ。「打った瞬間、手応えはいい感じだった」