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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、今年度に打ち上げ予定の気候変動観測衛星「しきさい」を公開した。黄砂やPM2・5など、大気中に浮遊する粒子状物質(エーロゾル)を観測する。黄砂予測や、地球温暖化予測モデルの精度向上などにつながるという。

 JAXA筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で公開された衛星は高さ4・7メートル、幅、厚み約2・6メートルの長方形。H2Aロケットで北極と南極を結ぶ極軌道に投入後、約5年間運用される。JAXAが進める地球環境の変動を観測する衛星の一つで、海水温など水循環の変動を観測するため5年前に打ち上げられた「しずく」に続く2機目になる。

 「しきさい」は可視光から近赤外線まで19チャンネルの波長で、地上で250メートルのものまで識別できる観測装置を搭載している。これでこれまで陸域では難しかった黄砂の観測ができる。杢野(もくの)正明プロジェクトマネジャーは「気象庁にもデータを提供して、黄砂予測に役立ててもらう予定」と言う。

 また、地球温暖化予測モデルにはまだ誤差が大きいことから、「しきさい」の観測でその誤差の縮小が期待できるという。気候変動を研究している東京大学大気海洋研究所の鈴木健太郎准教授(大気物理学)は「エーロゾルは雲のもとになって地球の冷却効果を担っていると考えられる。これが二酸化炭素の増加による地球温暖化にどの程度の相殺効果を与えているのかを知る上で、陸域のエーロゾルも観測できる『しきさい』に期待したい」と話している。(三嶋伸一)