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 東京都は14日、豊洲市場(江東区)の有害物質を5~8月に検査した結果、地下水から環境基準値の最大120倍のベンゼンなどを検出したと発表した。今年4月に同100倍のベンゼンなどを検出しているが、2014年から続ける都の検査では最高値。都は「汚染状況は変わっていない」とする一方、市場施設のある地上部分11地点の大気は基準値未満だったため、「安全は確保された状態」と説明した。

 都によると、5~8月に同市場敷地内の46地点で地下水のベンゼン、ヒ素、シアンの濃度を検査。検出最大値(1リットルあたり)は、ベンゼンが1・2ミリグラム(環境基準値0・01ミリグラム)、ヒ素が0・033ミリグラム(同)、シアンが1・5ミリグラム(環境基準値は「不検出」)。7~8月の検査では、46地点のうち38地点で3種類のいずれかが環境基準を超えた。

 同市場の地下水は、都が土壌汚染対策工事を終えた14年から2年間の計画で検査し、今年1月公表の最後の9回目で基準値の最大79倍のベンゼンなどを検出。その後、地点を絞って検査を続けている。都の専門家会議は、地下水位を一定に保つ管理システムが昨年秋に本格稼働したことで地下水が変動したなどと分析。会議の提言を受けて、都は中長期的に汚染濃度を下げるため、管理システムを機能強化するなどの追加対策工事を進め、来年6月までに終わらせる方針だ。

 今回の結果について、横浜国立大の浦野紘平名誉教授(環境リスク管理学)は「市場で地下水は使わず、大気も汚染されていないため安全」とした上で、「市場業者や消費者に対し、都が追加対策について丁寧に説明し、信頼を回復する必要がある」と指摘した。(張守男、岡雄一郎)