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 米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニが15日、土星の大気に突入して、燃え尽きた。打ち上げから20年、これまで土星を294周し、45万枚以上の写真を撮影した。衛星エンケラドスに生命が存在できることを示唆するデータなども送ってきたが、その使命を終えた。

 カッシーニは土星の輪が写った画像を地球に送信後、日本時間15日午後7時半ごろ土星の上空約1900キロの大気層に突入開始。通信が途絶える直前まで大気の成分のデータを地球に送り、時速12万キロ以上で落下して消滅した。地球への通信に約1時間半かかるため、地球で最後の信号を捉えたのは午後8時55分だった。

 カッシーニは1997年10月に米フロリダ州から打ち上げられた。2004年7月に史上初めて地球から平均約14億キロ離れた土星の周回軌道に入り、本格観測を開始。05年に小型探査機ホイヘンスを衛星タイタンに着陸させ、観測データを送った。

 当初4年だった観測期間は2度延長した。しかし、電源として使っていた原子力電池が残り少なくなっており、軌道調整ができなくなる恐れが出てきた。カッシーニの調査から、エンケラドスとタイタンには生命が存在できる環境があるかもしれず、カッシーニが衝突すれば、地球から微生物などが持ち込まれる懸念があった。そのためNASAは水素を主成分とする土星の大気に突入させて、流れ星のように消滅させる方法を採用した。(ワシントン=香取啓介)