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 日本銀行が金融緩和で買う上場不動産投資信託(J―REIT〈Jリート〉)について、全59銘柄のうち2割で、日銀が5%超の「大株主」であることがわかった。日銀のリート買いは、不動産市場を活性化させ景気回復の「呼び水」にするのが狙いだが、日銀の資金が大量に不動産市場に流れ込んでおり、市況をゆがめかねない。

 Jリートは、オフィスビルなどに投資する「不動産投資法人」が東京証券取引所に上場し、証券を発行して投資資金を集める。証券は株式のように売買される。朝日新聞が、投資法人で5%超の投資口比率(株主比率にあたる)の投資主(株主にあたる)を大量保有報告書などから調べた。日銀の比率は8月末時点で、三井不動産系の「日本ビルファンド投資法人」で6・2%、三菱地所系の「ジャパンリアルエステイト投資法人」で6・1%など、計13銘柄で5%超だった。

 日銀は2010年から、格付けなどの基準を満たしたJリート銘柄を買っている。黒田東彦(はるひこ)総裁が13年に異次元緩和を始め、14年には従来の3倍の年900億円に買い入れ額を拡大した。以前は銘柄あたりの持ち分が5%以内になるようにしていたが、15年12月に10%以内とした。4年後には、日銀の持ち分が10%に達する銘柄が出る可能性がある。市場では「日銀が保有しているから安全」と買いが集まる傾向があるという。

 日銀は株式市場でも上場投資信託(ETF)を年6兆円買い、株価を下支えしている。ETFでは、信託銀行などを通じた間接的な株式保有だが、多くの企業で実質的な大株主となっている。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「日銀によるJリートの買い入れはETFと同様、市場での価格形成をゆがめている可能性が高い」と指摘する。(座小田英史、大隈悠)

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日銀が5%超の「大株主」となっているJリート銘柄(投資法人名)

日本ビルファンド、アドバンス・レジデンス、ジャパンリアルエステイト、日本ロジスティクスファンド、東急リアル・エステート、日本プライムリアルティ、日本アコモデーションファンド、福岡リート、ジャパンエクセレント、野村不動産マスターファンド、フロンティア不動産、積水ハウス・レジデンシャル、阪急リート