【動画】北朝鮮の弾道ミサイルは、過去最長の3700キロ飛行したとみられる(音声はありません)
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 北朝鮮は15日朝、平壌近郊から弾道ミサイルを発射した。日韓は、北朝鮮が8月29日に発射したものと同じ中距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」(射程4500~5千キロ)で、日本上空を通る飛行コースもほぼ同じだったと分析。北朝鮮は体制維持のため、核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備をめざし、核・ミサイル開発を続ける可能性が高い。

 今回のミサイル発射で、北朝鮮は国連安全保障理事会の制裁強化に反発する姿勢を明確にした。飛距離は過去最長の約3700キロ。米軍基地がある米領グアム周辺をいつでも攻撃できる能力を示す狙いもあったとみられる。

 小野寺五典防衛相は「北朝鮮が発言している内容からすれば、グアムは意識しているものと考える」と述べた。韓国国防省関係者は「核実験に続き、グアムを包囲射撃する能力を誇示する意図があった」との見方を示した。

 グアムにはアンダーセン空軍基地があり、北朝鮮の挑発を抑止する一環として、同基地のB1B戦略爆撃機が朝鮮半島にたびたび飛来。これに対し北朝鮮は8月、グアム周辺をミサイルで包囲射撃すると予告している。今回の発射は、事前に兆候を探知するのが困難な移動式発射台が使われたとみられる。

 韓国政府関係者は、北朝鮮の目標は、米本土を正確に狙うことができる核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦配備することだと指摘した。

 各国は一斉に反発した。ティラーソン米国務長官はミサイル発射後に声明を出し、「北朝鮮の挑発的なミサイル発射は、同盟国である日本の国民を短い間に2度にわたって、直接的に脅かした」と強く非難。すべての国が北朝鮮に対し、圧力強化など新たな対抗策をとるよう求めた。

 中国外務省の華春瑩副報道局長は15日、「安保理決議を全面的に実行していく」と述べつつ、北朝鮮問題の本質は安全保障をめぐる米国と北朝鮮との間の矛盾だとし、改めて早期の対話再開を求めた。

 国連安保理は日本時間16日午前4時に緊急会合を開く。安保理は北朝鮮による3日の核実験を受け、北朝鮮の石油輸入制限などを盛り込んだ制裁決議を11日に採択したばかり。日米などは制裁の完全履行など圧力強化を訴える構えだ。(相原亮、ソウル=武田肇