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(16日、川崎3―0清水)

 雨でぬれたピッチでボールを走らせる。よりパススピードが速くなる状況で、川崎のサッカーは生きる。

 鮮やかなパスが、追加点の起点になった。前半25分、右サイドから左へ、攻撃を作り直しているタイミングで清水の隙を見つけた。ハーフライン付近で球を受けたDF谷口。相手MFがパスカットを狙って前に体重をかけた瞬間、背後のスペースへスルーパス。シューっと球が芝の上を滑る音が聞こえてきそうなパスが左DF車屋に通る。中央のFW小林に折り返し、小林が落ち着いて決めた。

 ビッグタイトルを逃した後こそ、強者の反発力が問われる。13日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦で、浦和に1―4の逆転負け。第1戦で3―1とリードしながら、優位を生かせず初の4強はならなかった。中2日のリーグ戦、頭で先制点を奪った谷口は「こんなところで崩れてたまるかという気持ちだった」と言い、MF中村は「今年で一番大事なゲームになると思った。一体感があった」。

 ACLの浦和戦で退場となり、責任を感じていた車屋が2点目をアシストしたのも、チームにとっては大きい。鬼木監督は「ACLで負けて、選手から自分がどうにかしたいという気持ちを感じた。選手が結果を出したことが一番の収穫」。初優勝を狙える位置。2連勝で首位鹿島を追う。川崎の鋭いパスサッカーは揺るがない。(増田啓佑)