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(16日、ソフトバンク7―3西武)

 1点を追う四回1死一塁、外角球をすくい上げたソフトバンクの4番柳田の打球が、左翼フェンスぎりぎりに飛び込んだ。引き分け以上で優勝が決まる大一番で、代名詞とも言える逆方向への一振りで試合をひっくり返した。

 8月23日を最後にアーチが生まれず、もがいていた。試合前のアーリーワークを志願し、若手野手とともにバットを振り込んだ。「野球の神様が打たせてくれた。一生記憶に残る試合」。17戦ぶりの一発で節目の30号に達すると、五回は右翼線適時二塁打。計3打点を稼いだ。

 3連覇を逃した昨季は9月に右手薬指を骨折。優勝を争っていたチームを離れた。「全試合出てこそのレギュラー。そこが一番ダメ。全部門上位で行く」。雪辱を誓った今季、リーグトップの98打点、打率と本塁打も上位に顔を出す。不動の4番だった内川が故障後は、新4番に指名され、チームの屋台骨を支えた。

 4番の一発に5番デスパイネも続く。七回に3試合連発となるリーグ首位の33号ソロをバックスクリーンへ。チームの本塁打数はリーグトップの150本に達した。優勝を決める大事な試合で、打線が破壊力を見せつけた。

 マジックを点灯させながら大失速した昨季とは違い、今季は終盤に猛スパートをかけ、工藤監督が就任1年目で打ち立てたパ・リーグ最速Vを塗り替えた。試合後、お立ち台で工藤監督は涙をにじませた。「まず一つ夢がかなった。最終的な目標は日本一奪還」。ここ10年で5度目のリーグ制覇の「常勝軍団」が、最初の関門を突破した。(甲斐弘史)

■工藤監督、続投へ

 ソフトバンクの後藤芳光・球団社長は16日、工藤監督が来季もチームの指揮を執る見通しを示した。2年ぶりのリーグ優勝を決めたことを受け、「我々の工藤監督に対する信頼は揺るぎない。来年も今年以上の結果を出してくれると信じている」と話した。工藤監督は今季開幕前、新たに3年契約を結び直した。

 ○デスパイネ(ソ) 七回にリーグトップの33号ソロ。来日初のリーグ優勝に「最高の気分。この1年間やってきたことを出せた」

 ○岩崎(ソ) 八回にリーグトップ68試合目の登板。「シーズンを通してつらいときの方が多かった。だけど、優勝できたら報われる」

 ○今宮(ソ) 五回の適時打を含む2安打。「最近いい仕事ができていなかったので、良かった。何回味わっても優勝する1試合は全然違う」

 ○上林(ソ) 「自分の成績には納得はしていない。チームが優勝したのはうれしいが、悔しい感情の方が強い」