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 2002年9月に北朝鮮が日本人の拉致を認めて15年となった17日、「今年中に拉致被害者全員の救出を」と訴える「国民大集会」が東京都内で開かれた。高齢化が進む被害者の家族からは、打開策の見えない現状への不満の声が相次いだ。例年この時期に開かれてきたが、横田めぐみさん(拉致当時13)の両親は初めてそろって欠席した。

 5人の被害者が北朝鮮から帰国して15年。「こんなに長くかかるとは思ってもみなかった」。拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(79)は今夏、体調を崩して1カ月ほど入院したという。「40年も北朝鮮に監禁されている家族はさらに大変だ。核やミサイルの問題で混沌(こんとん)としているが、拉致問題は切り離して最優先で解決を」と訴えた。

 横田滋さん(84)、早紀江さん(81)夫妻は事前に収録したビデオでメッセージを寄せた。体調を崩し、活動を控えている滋さんは一言一言区切るように、「めぐみちゃんと、早く、会いたいです」と語った。早紀江さんは「40年がたつのに、めぐみの姿も誰の姿も見えない。いつまで置き去りにされるのか」といらだちを隠さなかった。事前の朝日新聞の取材に対しても、「被害者は日本国家に見捨てられたと思っているはず」と答えていた。

 集会は「政府は、今年中に救出を実現するため(北朝鮮との)実質的協議を最優先で行え」などと求める決議案を採択した。冒頭に出席した安倍晋三首相は「今週訪米し、トランプ大統領に拉致問題への協力を求める。国連総会演説でも拉致問題について世界に訴えたい」と述べた。(清水大輔、編集委員・北野隆一