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 安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭で衆院の解散・総選挙に踏み切る公算が大きくなった。10月22日の投開票が有力だ。年内の解散方針で政権幹部は一致しているが、臨時国会で森友・加計学園問題をめぐる野党からの追及を受ける前に解散したほうが得策との判断に傾いた。野党は「疑惑隠し」「大義なき解散」と反発している。

 安倍首相は17日夜、自民党の塩谷立・選挙対策委員長を都内の私邸に呼んだ。首相は「北朝鮮情勢への対応が長期戦になると、(解散時期の)判断が難しくなる」と述べ、早期解散に踏み切る理由に言及。冒頭解散が有力な選択肢であるとの認識も示した。小池百合子・東京都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」と連動した国政政党の準備状況についても分析したという。

 首相は国連総会出席のため18~22日に訪米する予定で、帰国後に最終判断する意向も示した。想定される総選挙の日程は、10月10日公示、22日投開票。ずれ込む場合でも17日公示、29日投開票となりそうだ。

 首相が冒頭解散に傾いたのは、臨時国会で代表質問や予算委員会を通じて森友・加計学園問題などで追及を受ければ、回復に転じた支持率への打撃が予想されるとの判断に加え、民進党の離党騒動が収まっていないことも大きい。閣僚の一人は「とにかく早くやるべきだ」と話す。選挙戦ではアベノミクスの継続のほか、教育や社会保障制度を抜本的に見直す「人づくり革命」を打ち出す見通しだ。

 野党は解散に向けた動きにさっそく反発。選挙戦では、解散のあり方も争点の一つにする考えだ。

 民進党の前原誠司代表は17日、党本部で記者団に「国会で追及されることから逃げるために北朝鮮の状況なども全く度外視。自己保身解散だ」と批判。共産党の小池晃書記局長は同日、朝日新聞の取材に「疑惑隠しだ。これほどまでに大義のない解散はかつてなかった」と語った。

 冒頭解散の公算が大きくなったことで、与野党は選挙準備を加速。この日予定していた民進、自由、社民の野党3党首会談は、解散に備えた選挙態勢づくりを優先するとして見送られた。