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 各地に浸水などの被害をもたらした大型の台風18号は17日午前11時半ごろ、鹿児島県南九州市付近に上陸し、宮崎県沖に抜けた後、午後5時ごろには高知県宿毛市付近に再上陸した。18日は暴風域を広げながら北日本の日本海側を進む見通しで、北日本を中心に広い範囲で大荒れの天気になるとみられる。

 気象庁によると、台風18号は17日午後10時時点で、兵庫県明石市付近を時速55キロで北東に進んだ。中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル。

 台風や活発な前線の影響で、17日は西日本や東日本の太平洋側を中心に広い範囲で大雨となった。宮崎市内では降り始めからの雨量が600ミリを超え、三重県や大分県、高知県では1時間に90ミリ前後の猛烈な雨を観測。大分県内では1時間に110~120ミリの雨が降ったとみられ、同庁は各地に記録的短時間大雨情報を発表した。

 国土交通省によると、大分県内では大分市内を流れる大野川と、佐伯市内を流れる番匠川支流の井崎川が氾濫(はんらん)。同県の佐伯、津久見、臼杵の3市は、土砂災害と河川が氾濫する危険性が高まったとして、全域の計約5万7千世帯12万9千人に避難指示を出した。

 県警によると、豊後大野市の70代男性が17日午後3時半ごろ、「田んぼの様子を見に行く」と外出し、行方不明になった。県によると、住宅の浸水に関する情報もあり、確認を進めている。3階建ての津久見市役所も1階が浸水し、職員たちは2階以上にパソコンなどを上げて、災害対策の仕事に当たった。

 津久見市の老人ホームには午後2時半ごろから水が入り始め、1階部分が3~4センチ浸水。近くを流れる徳浦川があふれた。利用者約40人は2階に避難していて無事だったが、職員たちは水がひいた後も泥などを掃き出す作業に追われた。看護師の岩根智美さん(41)は「水はあっという間に入ってきた」と驚いていた。

 宮崎県警によると、国富町木脇で9軒の家屋で瓦が飛んだり、倒木で家の一部が損壊したりする被害があった。また、走行中や駐車中のトラック2台が横転したが、けが人はなかった。高千穂町上野の商店には土砂崩れによる土が流入。延岡市北川町では介護老人保健施設「蛍邑苑(けいゆうえん)」の1階が浸水し、2階に約40人の入所者がいたが無事だった。

 熊本市によると、公民館に避難しようとした同市の70代の女性が、階段で転倒して頭に軽いけがをした。

 交通機関でも混乱が続いた。九州新幹線は熊本―鹿児島中央間で始発から運転を見合わせたが、午後6時過ぎに運転を再開。JR九州の在来線はほとんどの列車が夜まで運転を見合わせた。西鉄各線や山陽新幹線でもダイヤの一部が乱れた。空の便は九州・四国発着便を中心に、全日空の計341便、日本航空の計234便が欠航した。

 気象庁によると、18日午後6時までの24時間の予想雨量は多いところで、四国、近畿、北海道で250ミリ、中国、東海、東北で200ミリ、関東甲信、北陸で150ミリ、九州北部で120ミリ。さらにその後の24時間では、北海道で50~100ミリと予想されている。

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 高知県四万十町では17日午後、水路で「何かが落ちたような音がした」と消防に通報があった。地元消防組合によると、現場は水深2メートルほどで、逆さになった車の車輪が水面から出ていた。台風の影響で水位が上がり、水の流れも速くなっていた。同組合は車が過って転落した可能性があるとみて、18日朝から救助活動をする方針。

 滋賀県草津市の琵琶湖畔で16日から2日間の予定で開かれていた野外音楽イベント「イナズマロックフェス」は、17日の公演が中止になった。実行委員会が16日夜にホームページやツイッターで発表した。イベントを企画した同県出身のミュージシャン西川貴教さんは、自身のツイッターに「悔しいですが、皆様の安全が最優先なのでご理解下さい」とつづった。

 大阪市北区の商業施設「グランフロント大阪」では18日の「敬老の日」を前に、子どもたち10人ほどが祖父母に感謝の手紙を読み上げるイベントを17日夜に予定していたが、延期になった。企画・運営するNPO法人「情熱の赤いバラ協会」(大阪市)の藤林由子さん(45)は「子どもたちは約1カ月前から手紙の朗読を練習して楽しみにしていたので、本当に残念。参加者の安全を第一に考慮しました」と話した。