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てんでんこ:音楽の力26

 青年たちが「アジト」と呼んだその場所は、漁具を置く小屋だった。

 東日本大震災の直後、岩手県大槌町の海岸近く。家族や家を失った10人ほどが集まった。そこでは、遠慮なくギターをかき鳴らして好きなロックを歌うことができた。そうして、折れそうな心を支え合った。

 土木技師の岡野茂雄(おかのしげお)(42)は、町職員で被災者の対応に追われる妻に代わり、行方不明の義母を捜して安置所を回っていた。同級生の建設会社員、古舘王士(ふるだてきみお)(43)は、その思い詰めた形相を見てアジトに引きずり込んだ。

 「つらいことは一緒に背負わせてくれ」

 岡野はすべてはき出して、泣きながら歌った。古舘らは津波が入った岡野宅の泥出しや掃除をした。

 古舘は、当時勤めていた造船会社が被災して失業し、借りていた家も、被災した家主の親類に譲り、ワゴン車で寝泊まりしていた。

 そんな自分を癒やしてくれる音楽に感謝したい。あこがれるバンド「ザ・ストリートビーツ」のリーダー、OKI(オキ)(51)のファンサイトにメールを打った。

 「俺たちの町は津波でめちゃめ…

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