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 麻酔でお産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)で子どもが死産したのは医師らの過失が原因だとして、順天堂大順天堂医院(東京)に入院していた女性と夫が、運営する学校法人と医師らに計約1億4千万円の支払いを求めて東京地裁に提訴していたことが19日、わかった。

 提訴は15日。訴状によると、女性は順天堂医院で無痛分娩での出産を予約し、陣痛が始まった2015年2月4日に入院。5日から陣痛促進剤の投与が始まり、その後、吐き気や下腹部の痛みなどが生じ、6日午後7時ごろから約30分間心肺停止となった。胎児は死産となり、病院側からは子宮破裂と説明された。

 原告側は、陣痛の痛みを消す無痛分娩では、医師や助産師が妊婦の状態を厳重に監視しなければならなかったのに、子宮破裂の兆候を見逃したと主張。女性に説明のないまま陣痛促進剤を連続投与し、子宮破裂を引き起こした可能性があり、帝王切開のタイミングも逸したとして、胎児の命や母体を守る注意義務に違反したと訴えた。女性は子宮を全摘し、妊娠できない状態になったという。

 19日に都内で会見した原告側代理人の貞友義典弁護士は「無痛分娩では先駆け的な病院で被害が生じた。世間への警告の意味もあって提訴した」と話した。順天堂医院は高度な医療を提供する「特定機能病院」に指定されているが、貞友弁護士は同日、「無痛分娩に欠陥があった」などとして、厚生労働省に指定を取り消すよう申し入れた。

 順天堂医院管理課は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」としている。(後藤遼太)