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■きょうも傍聴席にいます。

 結婚しようと思っていた恋人が突然、心変わりをした。性同一性障害の被告の女(31)にとって、初めて交際した相手だった。もう一度恋人と接点を持ちたい。そのとき被告がとった行動とは。

 8月17日。岐阜地裁302号法廷に、被告の女が入廷した。短髪にスーツ姿で、半袖のワイシャツにネクタイを締めている。裁判官に促されて証言台に進み、起訴内容を問われると「間違いありません」と答えた。

 起訴状などによると、被告は5月27日、岐阜県瑞浪市内のスーパーで、個室トイレのトイレットペーパーにライターで放火し、仕切り板などを焼損させたとされ、建造物等以外放火の罪に問われた。

 公判から事件の経緯をたどる。

 弁護人「交際相手とはどこで知り合ったのか」

 被告「昨年まで勤めていた介護施設です」

 被告と女性は、2014年8月、勤務先の瑞浪市内の介護施設で知り合い、交際に発展した。被告にとって初めての恋人だった。

 弁護人「いわゆる男女の関係で、どのくらい交際していたのか」

 被告「約11カ月です」

 被告は、女性に「一緒にやめてほしい」と言われ、介護職を辞めた。2人は市内のスーパーに移り、被告は警備員として、女性はサービスカウンターで働くようになった。

 交際はうまくいっていた。一人暮らしをする被告の家に、女性は何度も訪れていた。昨年、被告は女性と結婚するため、法的な性別を変える決意をする。

 被告「彼女にはだんなも子どももいましたが、『結婚したい』とも言っていました。まず、彼女にプロポーズするため、指輪を買いました。名古屋のクリニックに行き、性同一性障害の診断を受けました。ホルモン療法や、性別適合手術、戸籍変更をするつもりでいました」

 弁護人「彼女に伝えたときは」

 被告「賛成し、喜んでいました」

 だが、女性の態度は一転する。

 被告「今年1月あたりになると…

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