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 総務省によると、2014年の前回衆院選は616億9335万円の費用がかかり、国の予備費から支出した。有権者は約1億400万人で、1人あたり約600円を負担した計算だ。

 経費の内訳は、投票用紙や選挙公報の準備、候補者が貼る選挙ポスターの作製費用のほか、各地の選挙管理委員会の事務費など。10月下旬と取りざたされる次の衆院選でも、同規模の経費支出が見込まれる。

 600億円は、どのくらいの金額なのか。各省庁がつくった来年度予算の概算要求で比べると、農産物の値下がりによる農家の減収を補う新制度(531億円の見込み)を上回り、非正社員を正社員にする「キャリアアップ助成金」(742億円)より少ない。

 井田正道・明治大教授(政治意識論)は「選挙経費は民主主義の維持のために国民が負担すべきもので、選挙権の行使には実は金がかかるという認識を持って有権者は選挙に臨むべきだ」と指摘する。一方、衆院解散を検討する安倍首相の姿勢について「任期満了まで1年以上残すこの時期に、多額の費用をかけて民意を問うための大義が必要だ。解散時期が適切なのかどうかも政権の実績と共に評価される」と話した。

■600億円はどのぐらいの金額?

*2018年度予算の概算要求などから

1791億円 弾道ミサイル防衛(BMD)の強化費

1075億円 希望者全員が借りられる無利子奨学金

742億円 非正社員を正社員にする「キャリアアップ助成金」

531億円 農家の減収を補う「収入保険」

339億円 東京五輪・パラリンピック会場「有明アリーナ」整備費

247億円 訪日外国人客増を狙う観光関連

101億円 東京五輪・パラに向けた選手の競技力向上