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(19日、東京六大学秋季リーグ戦 慶大13―10東大)

 「ごめん」と言うように、東大のエース宮台康平(4年、湘南)は左手を顔の前に立てた。三回、慶大に逆転を許し、3アウトを取ってベンチに戻る時だった。四回の守備で、自らの野選で進塁を許すと、内野陣に向かってまた同じしぐさをした。

 2002年秋以来30季ぶりの勝ち点をかけた一戦だった。19日に神宮球場で行われた東京六大学秋季リーグ戦、慶大3回戦のマウンドに上がった宮台は四回途中8失点で降板。勝ち点獲得とはならなかった。

 エースは16日の1回戦で158球で完投してから、中2日のマウンド。「体の状態は問題なかった」が三回につかまった。3番柳町達(2年、慶応)の打球が右ふくらはぎを直撃。4番岩見雅紀(4年、比叡山)には内角直球を左翼席へ運ばれる逆転3ラン。四回も連打と自身の野選で踏ん張れず降板した。「打たれたのが悔やまれる。僕のせいです」と唇をかんだ。

 だが、勝ち点獲得へ希望も見えた。エースが降板しても、打線が10安打10得点と奮闘。七回には3番楠田創(4年、桐朋)の3ランなどで5得点。7点差で迎えた九回には3点差まで追い上げ、03年秋の法大2回戦で10得点して以来の2桁得点となった。

 一人一人のスイングが強くない分、「狙い球を絞って、持っている力をぶつけることをこの夏は意識してきた」と楠田。成果が現れてきたことを実感した試合でもあった。「どうすれば勝ち点が取れるか、考えないといけない」。けがをした主将に代わってチームを引っ張る楠田は涙をこらえながら話した。

 浜田監督は「(打線が)力強くなった。宮台におんぶにだっこじゃない」と手応えを実感。「次の早大戦で勝ち点を目指します」と前を向いていた。(大坂尚子)