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 トランプ米大統領が19日、初めて国連総会の一般討論演説を行った。核実験やミサイル発射の挑発を続ける北朝鮮を「ならず者国家」と強く批判。拉致被害者の横田めぐみさんの例を挙げて人権問題にも触れ、国際社会全体が直面する危機だと強調した。

 トランプ氏は北朝鮮に関する演説で、約1年半にわたって北朝鮮に拘束され、今年6月に帰国後急死した米国人学生の例とともに、「日本の13歳の少女が自国の海岸から誘拐され、北朝鮮スパイに語学を教えることを強いられた」と拉致被害者の横田めぐみさんに触れた。北朝鮮国内の幹部粛清などとあわせ、こうした体制が世界の脅威であることを強調した形だ。

 また「少数のならず者国家が、国連の原理を侵している」と強調。「正義が邪悪に立ち向かわなければ、悪が勝利する」とも訴えた。米国に届く弾道ミサイルとそれに搭載できる核兵器を開発する北朝鮮の挑発行為は米国と北朝鮮の問題だけではなく、国際社会が取り組むべき問題であると理解を求めた形だ。

 一方、トランプ氏は、いまも北朝鮮の体制を支える国があると非難した。「核紛争の危険をおかす国と貿易を続けるだけでなく、武器供給や財政的な支援をする国があるのは許せない」と強調。北朝鮮の後ろ盾である中国やロシアも含め、国連のすべての加盟国が対北朝鮮制裁決議を確実に履行することを求めた。

 トランプ氏は、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題にも触れ、「法を尊重すべきだ」と批判した。

 トランプ氏が就任以来進めてきた、環太平洋経済連携協定(TPP)や地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱など、「米国第一」主義の政策は、国際社会からは排他的だと批判を受けている。

 北朝鮮など喫緊の課題を抱える中、トランプ氏は今回の演説で、自身の「米国第一」主義が、国連を始めとする国際協調主義と矛盾しないことにも時間を割いた。トランプ氏は各国の首脳を前に「米国の大統領として常に、あなた方と同じように、米国を第一に考える。自分の国のことを常に第一に考えるべきだ」と強調。その上で、各国が国民や国家の脅威を共有し、ともに協力することが国際協調の土台であると訴えた。(ニューヨーク=土佐茂生)

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