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 沖縄戦の際に住民83人が「集団自決」に追い込まれた沖縄県読谷(よみたん)村の洞窟「チビチリガマ」が荒らされた事件で、器物損壊の疑いで逮捕された県内の少年4人の多くがガマの歴史を「知らなかった」と供述していることが、県警への取材で20日までに分かった。看板などを壊したのは「悪ふざけだった」とも供述しているという。

 逮捕されたのは16~19歳の4人で、いずれも読谷村がある沖縄本島中部在住。チビチリガマで、看板2枚や額1枚、千羽鶴4束を壊した疑いがある。県警は4人を無職や型枠解体工としていたが、19歳の無職少年を高校生に訂正した。

 嘉手納署によると、少年らは「心霊スポットでの肝試し」との考えでガマに入り、動画も撮影していた。人が亡くなった場所であることや、戦跡だと知らなかった少年もいて、「大変なことをしてしまった。反省している」「関係者に謝りたい」と話しているという。

 読谷村の石嶺伝実(でんじつ)村長は20日、「少年の軽率な行為は、平和教育が彼らの心に届いていないことを意味し、残念だ」と話し、ガマ周辺に防犯カメラを設置する意向を示した。

 翁長雄志(おながたけし)知事は19日、県庁で記者団に、「沖縄の平和に対する思いが、若い人たちに伝わっていないなかでの出来事なのかなと危惧をしている。とても残念だ」と述べた。

 村史によると、チビチリガマでは沖縄戦の際、住民約140人が避難し、うち83人が「集団自決」した。村によってガマは文化財に指定され、平和学習の場として活用されている。(小山謙太郎、山下龍一)