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 東芝は20日午前、取締役会を開き、半導体子会社「東芝メモリ」の売却先を米投資ファンドのベインキャピタルが率いる「日米韓連合」に正式に決めた。売却額は設備投資負担分も含めて2・4兆円の見通し。来年3月末までに売却益を得て債務超過を解消し、株式上場を維持したい考えだ。

 「日米韓連合」はほかに、大口顧客の米アップルや、韓国の半導体大手SKハイニックスなどが加わる。光学機器メーカーのHOYAなど日本企業も出資を検討。東芝も出資し、雇用の維持などで影響力を残す考えだ。議決権は日本勢が過半を握る方向。政府系ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行は当初は加わらないが、後に出資して経営に関与する方針だ。

 ただ、四日市工場(三重県四日市市)で半導体メモリーを共同生産する米ウエスタンデジタル(WD)は、第三者への売却を「協業契約違反」だとし、国際仲裁裁判所に差し止めを申し立てている。この結果によっては、買収は白紙になりかねない。革新機構と政投銀は、この係争が解決するまで出資を見合わせる。

 東芝は1月、米国の原発事業で生じた巨額損失の穴埋めのため、利益の大半を稼ぐ半導体メモリー事業の売却方針を決定。6月に「日米韓連合」をいったん優先交渉先に選んだが、革新機構などがWDとの係争の行方に懸念を深め、交渉が暗礁に乗り上げていた。その後はWDが加わる「新日米連合」と売却に向けて集中的に交渉したが、将来の経営に強く関与したいWDとの対立が表面化した。

 このため今月13日、再び「日米韓連合」を最有力候補として交渉する方針を決定。革新機構が19日になってWDを外した「新日米連合」の修正案を示したが、将来のWDによる東芝メモリへの関与を巡り不信感がぬぐえなかったもようだ。

 売却先は決まったが、WDは今後も売却に強く反対し、係争は続く見通し。同業の韓国SKへの売却で、各国の独占禁止法の審査が長期化する可能性もある。