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 日本銀行は21日の金融政策決定会合で、政策の「現状維持」を賛成多数で決めた。長期金利操作の目標は「ゼロ%程度」で変えず、金融機関から預かるお金の一部につけるマイナス金利は「年0・1%」で据え置いた。長期国債の買い増し額は「年約80兆円をめど」で変えなかった。

 長期金利操作やマイナス金利、国債買い入れの方針は、政策委員9人(総裁、副総裁2人、審議委員6人)のうち、賛成8、反対1の賛成多数で決めた。7月に民間エコノミストから就任した片岡剛士審議委員は「現在の金融緩和効果は2%の達成には不十分」として反対した。緩和強化を主張したとみられる。上場投資信託などの購入方針は全員一致で決めた。

 景気の基調判断は「緩やかに拡大している」で変えなかった。海外経済が堅調で輸出や生産は改善し、企業収益は堅調だ。求人倍率は43年ぶりの高水準で、雇用の改善も続く。それでも7月の物価上昇率は前年比0・5%と「2%」の目標には遠く、引き続き強力な緩和策を続ける。物価が2%に向けて上昇するとの見通しに対し、片岡氏は「来年以降、上昇率を高めていく可能性は低い」として反対した。

 北朝鮮情勢が緊迫し、安全資産の国債が買われ、長期金利は今月初めに9カ月半ぶりのマイナスとなり、円相場は今月上旬に一時1ドル=107円台前半の円高ドル安水準となった。ただ日銀内では経済への影響は限定的との声が多い。

 黒田東彦(はるひこ)総裁が21日午後に記者会見し、今回の決定内容について説明する。(藤田知也)

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