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 NHKは20日、総務省の有識者会議で、テレビ番組のインターネット同時配信について、受信契約を結ぶ世帯だけを対象として2019年度にサービスを開始するとの意向を表明した。ネットだけで視聴する世帯は除外した形でのスタートになる。「NHKが肥大化する」と反発する民放の同意を最優先させた。

 受信契約世帯は、追加料金なしで家族全員がスマートフォンなどでも番組を見られる。未契約の場合は、スマホなどの画面の一部に契約をうながすメッセージなどを表示するという。

 会議でNHKの坂本忠宣専務理事は「同時配信は放送の補完と位置づける」と強調した。総合と教育の2チャンネルを配信し、地域ごとのローカル番組も段階的に配信する計画という。その際、スマホのGPS機能などを使い、ローカル番組は他の地域からは見られないよう制限する計画も初めて明らかにした。

 見逃し配信についても、有料で運用しているNHKオンデマンドとの関係を整理した上で実現を目指す。

 出席した日本テレビホールディングス(HD)の石沢顕常務は「問題解決の糸口が見えた」と述べた。一方で、テレビ朝日HDの藤ノ木正哉専務は「テレビを持たない層への訴求策という方針を転換したのはスケジュール最優先と思わざるを得ない」と批判した。

 NHKが同時配信を行うには放送法の改正が必要。総務省は有識者会議で合意を得た上で来年1月の通常国会に改正法案を提出する方針のため、民放の意向が重要になっている。あるNHK幹部は「当初の目標から後退と言われても仕方ないが、まずは開始することを選んだ」と話した。(上栗崇、滝沢文那)