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■フロントランナー:「ほぼ日」社長・糸井重里さん

 台風18号が日本列島を縦断した9月の3連休。この人は、たくさんの笑顔に囲まれて、福島県相馬市にいた。

 東日本大震災後、東京の「目黒のさんま祭」で特産のサンマを振る舞うのに必要なお金を稼いでもらおうと、宮城県気仙沼市で始めた落語会を、今年は相馬で催した。

 観光バス7台を仕立てるなどして全国から集まった700人近い人、地元や近隣の人、今回は応援に気仙沼から駆けつけた人たち……。会場周辺は千人を超す人であふれ返った。「復興が進んだとはいえ、原発事故の風評被害が残る地元にとって、どれだけありがたいことか」と立谷秀清相馬市長。

 今年3月、東証ジャスダックに上場した「ほぼ日」にとって、これも立派な事業の一つだ。「求められている限り、(被災地の人たちが)『もういいよ』と言うぎりぎりまで、ぼくらができることを精いっぱいする」は、2011年にこの国を襲った「とんでもない出来事」をへてつかんだ、会社の輪郭のようなものだという。

 振り返れば、「自分がずっとやってきたのは、大勢が集まる『場』をつくるということ」。

 古くは、1980年代にかけて一時代を築いた雑誌「ビックリハウス」の人気投稿コラム「ヘンタイよいこ新聞」がそれ。広告の仕事からも、テレビの仕事からも遠ざかっていた98年、インターネット上に「ほぼ日刊イトイ新聞」を開く。訪れる人は、いまや月間150万を数える。無料で、だれでも閲覧できるが、広告はない。

 30億円を超す会社の売上高の…

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