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 米ニューヨークの国連本部で20日に署名式典が開かれた核兵器禁止条約について、国連は、同日中に署名が50カ国に達したと発表した。そのうち、タイなど3カ国は批准まで果たした。条約は50カ国の署名・批准を達成してから90日後に発効する。早期発効に向けて大きく前進した。

 非核保有国やNGOが主導した核禁条約は、核兵器の使用や開発、実験、保有、使用の威嚇などを包括的に禁止するもので、「人道的アプローチ」と呼ばれる立場から、核被害者支援や汚染地域の環境改善措置も促した。

 一方、ニューヨーク訪問中の河野太郎外相は20日、記者団に対して「日本は条約交渉に参加していないので、署名国がいくつになったかについてコメントは差し控えたい」と述べたうえで、「日本政府のアプローチとは違う」として、改めて署名しない方針を表明した。

 さらに、核禁条約には核保有国が参加していない現状を踏まえて、「核兵器国と非核兵器国の間が分断されている」との認識を示した。

 署名式に出席した日本原水爆被害者団体協議会代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(85)は「(河野外相の)考え方に期待していたが、期待していたものとは違う。非常に残念」と述べた。

 国連本部では同日、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進会議もあり、河野氏は共同議長として出席。会議は「効果的に検証可能な条約は核軍縮・不拡散の基礎」との共同声明を採択した。

 CTBTは1996年に署名手続きが始まったものの、核開発能力があると目される発効要件国44カ国のうち、肝心の米国、中国、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮など8カ国が批准しておらず、手詰まりに陥っている。(ニューヨーク=田井中雅人、松井望美、真野啓太)