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 「SDGs(エスディージーズ)の実施にかける我々の情熱をお話ししようと思っていました」――。米ニューヨークを訪問中の安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)の国連総会一般討論演説で、こう切り出した。ただ、北朝鮮情勢の緊迫化を受け、演説は全体の8割が北朝鮮問題に費やされた。

 SDGsとは、貧困や格差などの解消を目指し、国連が設けている持続可能な開発目標のことだ。この日の演説では、首相は軍事的挑発を繰り返す北朝鮮への圧力強化を呼びかけることに力点を置いた。それでも演説冒頭、SDGsにあえて触れた。

 首相は演説で、女性起業家支援やすべての人が保健医療サービスを受けられるようにする事業などに日本としても力を注いでいることも強調。ただ直後に残念そうな表情を浮かべ、「私は、自分の討論をただ一点、北朝鮮に関して集中せざるを得ません」と話題を転換した。その後の演説は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対して、厳しい言葉を重ねた。

 政府関係者によると、SDGsの旗振り役を務める外務省が首相官邸のスピーチライターに、「グローバルな課題の背景にあるのはテロや経済格差、貧困であり、その羅針盤の役割を果たしているのがSDGs」と事前に意義を説明したという。外務省幹部は「対北朝鮮」一色に染まった演説の中でかろうじてSDGsへの言及が残ったことに、胸をなで下ろした。(ニューヨーク=松井望美)

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 菅義偉官房長官は21日午前の記者会見で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、政府が優れた取り組みを行う企業、団体を表彰する2017年度「ジャパンSDGsアワード」の公募を同日より開始すると、発表した。公募期間は11月21日までで、受賞者の決定は12月中旬を予定している。

 SDGsは、持続可能な社会の実現のために、30年までに世界が取り組む行動計画。貧困や福祉、教育、気候変動など17分野にわたる。菅氏は「取り組みを通じて日本、世界を元気にしたい、そのような熱意あふれる皆さんの応募をお待ちしている」と話した。

 公募の詳細は首相官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/japan_sdgs_award_dai1/koubo.html別ウインドウで開きます)。