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 大手商社・双日の完全子会社「双日ツーリスト」が、アジアからの訪日旅行者向けに、東北の自然体験型ツアーを今月から売り出した。中国人旅行者を中心に、観光型から体験型に変化する需要をとらえ、対アジアビジネスにもつなげたい考えだ。

 ツアーは中国とインドネシア、ベトナムの3カ国向け。東北地方を回って釣り体験や季節の果物狩りをおこなうほか、東日本大震災から復興した食品工場の見学も組み込む。宿泊先では温泉を楽しめる。

 今夏、双日ツーリストは中国の旅行会社の企画担当者ら10人ほどを山形県に招いて体験ツアーを組んだ。メインとしたのは日本海での魚釣り。鶴岡市の由良港沖でマダイを狙う。地元の釣り師から、さおの使い方やエサの付け方を教わり、参加者は思いおもいの防波堤の場所で糸を垂れた。

 双日ツーリストは、法人向け旅行を手がけることが多かったが、復興庁の被災地復興プロジェクト「『新しい東北』交流拡大モデル事業」に選定され、外国人向けツアーに参入した。被災地復興の現状を伝え、東北の魅力も堪能できる釣りツアーを発案。釣った魚をその日のうちに調理して食べてもらい、海産物の安全性もアピールする。

 今回の体験ツアーに参加した中国婦女旅行社の徐敏さん(46)は「中国でも釣りの人気は高まっている。価格次第で人気のツアーになるのでは」と話した。

 日本政府観光局によると、訪日外国人観光客は2016年に約2400万人と過去最多に。足元でも増加傾向にある。観光局の担当者は「きれいな海や雪など、日本の自然を楽しむ目的の人が増えている」。

 実際、外国人を対象にした自然体験型のツアーは盛況だ。農家に泊まりながら農業体験する企画が人気を集め、大手旅行会社JTBは東北で果物狩りや工芸品づくりを体験するツアーを企画している。

 双日ツーリストはこうした体験ツアーの結果を元に、3カ国に向けてツアーの販売を進める。東北の魅力を各国に広め、ゆくゆくは双日本体が手がける農産品の海外向け販売に商機を見いだしたい考えだ。(鬼原民幸)