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 栃木県那須町で3月27日、登山講習中の県立大田原高校の生徒ら8人が亡くなった雪崩事故は、まもなく発生から半年となる。同校2年の男子生徒(16)が22日、報道各社にメールで手記を寄せた。「親友に誓った、生きていく約束を思い出し毎日を過ごしています」などと書いている。

 事故後の父親への取材によると、生徒は呼吸ができるように口の周りの雪を食べて救助を待ち、救出された。他の生徒を掘り出すのも手伝ったという。

 手記によると、男子生徒は事故を思い出すと、けいれんなどの症状が出ることがあるという。「あの日のことを忘れた日はありません。一生忘れることはないでしょう」とし、亡くなった友人たちの存在が世間で薄れていくのが「悲しくやりきれない」。「語り継いでいくことが、再発防止の第一歩にもなる」と訴えている。

 テレビや音楽に触れるたびに、それを好きだった友人たちの記憶がよみがえるといい、「みんなの笑顔と何も言えなくなったあの日の顔が交互に浮かんでは消えていきます」。

 事故後は「なんで生き残ってしまったのかといろんな『なんで』ばかり考えていた」「生きることを諦めたくなった日もあった」という。一方で、「いつかまた会えた時、みんなに笑われない生き方をしようとも思っています」といまの心境をつづっている。

 「こんなに悲しいことがあったことを忘れないでください」。手記はそんな訴えで締めくくられている。(矢鳴雄介、吉田貴司)