始まりました! 今秋の京都観光の目玉の一つ、京都国立博物館で開催される展覧会「国宝」。さっそく行って参りました。「楽しい」なんてもんじゃありません。「興奮」「感激」「感涙」。展示作品も変わるので、1回では無理ですね。この秋、私は何回行くのか……。

 京都国立博物館開館120周年記念・特別展覧会「国宝」は10月3日~11月26日を4期にわけて48日間。全国巡回は致しません。現在、国宝に指定されている美術工芸品は885件。その4分の1にあたる210件が集結する大展覧会です。

 今回は、その「国宝」に秘められた物語を、ゆかりの場所と共にご紹介します。

■仏像に課された使命、今も京都に息づく

 私事ですが数年前に祖母が他界しました。祖母は日頃からはがきサイズの「弘法大師御影」を持ち、手を合わせ信仰していたので、私は生まれた時から、その姿を身近に感じ育ったため、理由なく、空海が大好きです。

 歴史を学ぶようになり、その偉業を知ればなおさら。では真言宗徒か?と問われると、そうとは言い切れないのですが……。

 弘法大師・空海ゆかりの東寺には、もう何十回とお参りしています。東寺は五重塔を始め建造物の国宝が幾つもあり、そのスケールの大きさは京都随一と言っても過言ではありません。

 私は蓮花門(蓮華門)、大師堂が大好きです。特に早朝の大師堂では、空海と市民の方が新しい一日を迎える喜び・感謝にあふれ、自分もその一員になるすがすがしさ。早朝観光にお薦めです。

 東寺がさらに素晴らしいのはたくさんの寺宝、その文化財の継承。「東寺百合文書が」世界記憶遺産になったニュースは記憶にあることと思います。

 テーマごとに寺宝を公開する春と秋の特別公開は何度行っても初見の文化財が必ずあって、毎回、感激します。

 そんな寺宝から今回、展示されている「兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)立像」を紹介します。

 この仏像は「天部」という仏像に属し、仏教の守護神です。如来や菩薩を敵から護る役目を担っています。

 この東寺の「兜跋毘沙門天立像」は、もう一つ、平安時代の時代背景から重要な任務を任された仏なのです。それは平安京(都)を護るという責務。都を護るため、武装したお姿で平安京のゲート「羅城門」に安置され、警護に当たっていたのです。(ちなみに天部には天女や鬼のスタイルもある)

 鑑賞のポイントは、「天部」の役割から、この像も鎧(よろい)を身に着け、右手に武器を持っているのですが、注目は左手。宝塔という高さ24センチの小塔を、「今は」お持ちなのですが、実はこれ、昨年新たに作られたもの。1968年の公開時に盗難に遭って以来、約半世紀ものあいだ左手には何もない、少々不可思議な状態だったのです。

 私も今回の展示で、宝塔が左手に乗った状態、本来の完璧なお姿を初めて見ました。盗難という悲しい出来事はあってはならないことですが、平安時代に作られた仏像が1200年存在する間には、そうした負の歴史も刻まれることもあります。

 都を護る使命を持った仏、展覧会では、ぜひ「左手に注目!」してください。

■雪舟は空を飛んだ?!

 先日、84年間も所在不明だった雪舟の水墨画の作品「倣夏珪山水図」が発見されニュースになりました。

 今回展示される国宝「四季山水図」に至る雪舟の画力の足跡を示す貴重な作品と、専門家は分析しています。その作品「四季山水図」も含め6件、国宝指定を受けている作品が最も多い画家は雪舟です。

 しかも今回、3週間のみ、その…

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