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 Bリーグ2季目のシーズンが29日に各地で開幕する。開幕年の熱狂を、さらなる飛躍につなげるため、オフシーズンに大きな決断をした選手やクラブもある。

 Bリーグとして初めてのオフシーズンは、かつてないほど移籍が活発に行われた。昨季とは顔ぶれが大きく変わったチームが多く、どんな戦いぶりになるのか予想がつきにくく、楽しみが増えそうだ。

 ファンにとって最も衝撃的だったニュースは、昨季、栃木で決勝のMVP(最優秀選手)に輝いた古川孝敏の琉球への移籍だ。日本代表にも選出されている29歳は、4季在籍した栃木を離れ、新天地でプレーする道を選んだ。

 また、いずれも控え選手ながら苦しい場面でチームを支える働きが目立った熊谷尚也と須田侑太郎はそれぞれ大阪、琉球へ移籍を決めた。このほか、昨季は主将で司令塔の田臥勇太と出場時間を二分したポイントガードの渡辺裕規は29歳の若さで引退を選択。さらに計5年間チームを率いた監督のトーマス・ウィスマン氏も退団が決まり、初代王者の2季目は顔ぶれが大きく異なるチームとなる。

 鎌田真吾社長は「控えで活躍した熊谷や須田が他チームに活躍の場を求めることはある程度予想していた」としつつ、「古川は正直、予想外だった」と漏らし、今季の移籍市場の激しい動きをうかがわせた。

 当然ながら、古川を含めた大型補強を行った琉球には注目が集まる。チャンピオンシップ準々決勝で敗退した5日後、6月まで日本代表のアシスタントコーチを務めた佐々宜央氏の監督就任を発表。昨夏日本国籍を取得し、代表にも選ばれているアイラ・ブラウンをSR渋谷から獲得した。昨季ブロックショット数5位になるなど千葉の攻守の中心だったヒルトン・アームストロングの加入も決めた。

 昨季は準決勝で涙をのんだA東京もメンバーの半分を入れ替え、新加入選手を6人迎えた。秋田から安藤誓哉、京都から小島元基とポイントガードを2人獲得。筑波大4年で日本代表の馬場雄大と、ユニバーシアード米国代表で優勝した大卒ルーキーのランデン・ルーカスも加わり、若いチームに生まれ変わった。林邦彦社長は「2020年東京五輪の代表に選手を多く送り出せるような強化をしたい」と狙いを語った。

報酬高騰に懸念の声も

 一方で、Bリーグ開幕ですべての選手がプロ化したことや移籍市場の活性化に伴い、選手報酬の急な高騰も指摘されている。「選手によっては昨季の2~3倍になっている」とリーグ関係者。特に高身長の日本人選手の急騰が目立つという。Jリーグは開幕直後、報酬の相場をつり上げたことで経営が苦しくなったクラブもあり、Bリーグにも同様の懸念はある。

 リーグの副チェアマンも兼任する千葉の島田慎二社長は「無理をしているクラブもあるはず」と分析。ただし「報酬が上がらなければ夢のあるリーグにならない。高騰を規制するより、リーグ全体を底上げする方向にしなければ」。大型補強を敢行した琉球の編成担当者も「現在は過渡期。市場原理が働けば、いずれ適正年俸に落ち着く。一握りのトップ選手の年俸は高くなる半面、実力以上の年俸に対してはシビアな判断が下される」と指摘する。(伊木緑

主な移籍選手

(左から選手名、旧所属チーム→新所属チーム)

鵤誠司 広島→栃木

喜多川修平 琉球→栃木

アキ・チェンバース SR渋谷→千葉

ギャビン・エドワーズ 三河→千葉

安藤誓哉 秋田→A東京 ※期限付き移籍

小島元基 京都→A東京

長谷川智也 三河→SR渋谷

ジョシュ・ハレルソン 大阪→SR渋谷

城宝匡史 富山→新潟

上江田勇樹 千葉→富山

大塚裕土 SR渋谷→富山

比留木謙司 富山→三遠

西川貴之 北海道→三河

松井啓十郎 A東京→三河

柏木真介 三河→名古屋D

永吉佑也 川崎→京都

熊谷尚也 栃木→大阪

藤高宗一郎 SR渋谷→大阪

佐藤公威 新潟→島根

波多野和也 琉球→島根

須田侑太郎 栃木→琉球

古川孝敏 栃木→琉球

アイラ・ブラウン SR渋谷→琉球

ヒルトン・アームストロング 千葉→琉球