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 フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)の熱狂的なファンが、カナダ・モントリオールで開催されているオータム・クラシックに駆けつけている。関係者は喜ぶ一方で、悩みも抱えている。

 近くで羽生を見ようとするファンが、会場への出入りや練習の様子を見守り、歓声を送った。カナダのフィギュアスケート統括団体のスケート(S)カナダによると、1200席で3日間行われる大会の入場券は、販売開始から2時間で完売。運営側は「うれしいこと」と歓迎した。深夜に会場近くで一夜を明かすファンがいたことで、地元警察が見回りにくる一幕もあった。

 22日の男子の公式練習前、「会場内でのフラッシュを使用した撮影、及びビデオ、動画の撮影は固く禁じられております」とアナウンスが流れた。英語とフランス語に、日本語も加わった。望遠レンズでの写真撮影も禁止。注意を促しても、なかなか減らないという。

 撮影禁止の主な理由の一つに、放映権がある。権利を活用した利益はスケート団体の収入になり、選手の活動費やスケートの発展に生かされるが、個人撮影した動画が出回れば、放映権者の番組やサイトの訪問者が減り、最終的にはスケーターの利益が脅かされる。Sカナダの広報担当者は「放映権はテレビ局とSカナダが持っている。私たちによるサイトで見てほしい。そこで見られるので、撮影の必要はないはず」と協力を呼びかける。選手がウォーミングアップをするエリアに入るファンもいて、運営側は対応に追われる。セキュリティーを雇うなどして、出費を増やしている。

 混乱を避けるため、羽生が本来の選手入り口を避けて出入りする対応もとられた。羽生を指導するブライアン・オーサー・コーチは「ファンが多いのはスポーツにとっていいこと」と歓迎しつつ、「彼(羽生)は大変。責任感があって喜ばせようとするから、常に集中を切らすことができない」と話した。