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 ドイツに亡命を申請していたベトナム人男性が7月に拉致され、ベトナムに連れ戻される事件があり、独越関係に亀裂が走っている。独外務省は、ベトナム政府が事件に関与したとみて22日、「両国が2011年に結んだ戦略的協力関係を一時中断する」と発表。これまでにベトナム人外交官2人を国外追放処分とした。

 拉致されたのはベトナム国営ペトロベトナム建設元会長のチャン・スアン・タイン氏。同社に約3兆2千億ドン(約158億円)の損失を与えたとして、ベトナム政府に指名手配されていた人物だ。ロイター通信などによると、7月23日にベルリン中心部で拉致され、その後の8月、ベトナムのテレビで「自ら出頭した。罪を認めたい」と話す姿が放映された。

 亡命申請中の男性が突然姿を消すという事件にベトナム政府が関与しているとみて、独政府は「国内法と国際法の侵害だ」としてベトナム側を批判。8月にはガブリエル独外相が、「まるで冷戦時代の恐怖映画だ」と発言していた。今月22日の声明では「謝罪とタイン氏への法的措置を求めてきたがいずれも対応がない」と述べた。

 ベトナム外務省は事件について8月に「当局が捜査中」とし、両国関係の維持を強調していた。新たな声明は出していない。(ハノイ=鈴木暁子)

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