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 10月2日にカナダで開幕する体操男子の世界選手権に、三重県の体操クラブ所属の安里(あさと)圭亮選手(24)が初出場する。地方でも働きながら現役を続けられる環境を用意しようと、体操経験のある薬局経営者がクラブを作って10年。安里選手と同じく、子どもの指導を両立させながら飛躍を目指す選手は約20人に上る。

 三重県内に8教室を抱える相好(そうごう)体操クラブは平日の午前と午後で違った空気になる。午前中は所属選手が四日市市などの教室で約3時間、ゆか、鉄棒、跳馬やあん馬の練習に余念がない。

 午後は選手が各教室で先生となる。安里選手も伊賀市の教室の先生だ。9月中旬、四日市教室では現役選手が幼児や小学校低学年の子どもに優しく声をかけ、跳び箱や鉄棒を教えた。伊藤優杏さん(7)は「教え方は分かりやすい。技も見せてくれるのですごい」、母親のさえ子さん(42)も「娘は運動が苦手でしたが、今は跳び箱も高く跳べるようになった」と話す。

 クラブは2008年、伊賀市で薬局を経営していた山本将之さん(46)が創設した。大学まで体操を続けていた山本さんは「地方でも子どもたちを教えながら現役を続けられる環境を作りたかった」と話す。クラブ名の「相好」は元々仏教の言葉で、顔つきや表情といった意味。子どもたちの小さな表情の変化や個性に気づいて伸ばしていくとの思いを込めた。

 トップ選手の大学卒業後の受け皿は、関東の数クラブに限られている。「体操は1学年のうちトップの2、3選手しか現役を続けられない。このクラブでもう少し夢を見られる選手を増やしたい」

 選手は山本さんの会社の社員と…

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