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 安倍晋三首相は25日、消費税収の使い道を教育無償化にも広げる方針を打ち出し、解散・総選挙に踏み切る意向を明らかにした。過去2回の国政選挙では、消費増税の延期を掲げた首相だが、今回は一転、増税によってもたらされる税収を使った歳出拡大策に焦点を当て、選挙を有利に運ぼうという思惑が透ける。

 「子育て、介護。現役世代が直面する不安解消に大胆に政策資源を投入する」

 安倍首相は25日の会見でこう述べ、教育無償化などの2兆円規模の政策を実施すると強調。2019年10月の消費税率10%への引き上げで得られる5兆円超の税収の使い道を変え、財源に充てると表明した。

 具体的には、保育所や幼稚園の費用について、20年度までに3~5歳児は全世帯を対象に、0~2歳児も低所得世帯に限ってそれぞれ無償化する。大学などの高等教育も一部を無償化すると表明。低所得世帯の学生に限定し、給付型奨学金や授業料減免を大幅に拡充するとした。さらに、待機児童を解消する保育の受け皿づくりの従来計画を2年前倒しし、20年度までに32万人分を確保するほか、介護職員の処遇改善にも取り組む方針を打ち出した。

 巨額の財源が必要なものばかりだが、首相は「大宗(たいそう、大半)は消費税から充当したい」と説明した。社会保険料に上乗せして徴収する「こども保険」なども検討する考えも表明し、「安定財源」の確保に自信を示した。

 だが、消費税の使い道を拡大することは実質的には借金を増やすのと同じだ。

 これまでは、消費増税で増える5兆円超の税収のうち、1兆円余りを介護などの新たな社会保障の充実に充て、残る4兆円余りは既存の社会保障政策を賄う借金の返済にあてる計画だった。首相は、この借金返済分を約2兆円減らして教育無償化などに回す考えだが、そうなれば、その分、返済できない借金が積み上がることになる。幼児教育の無償化の費用を、もっぱら将来世代に負担させるのと同じことだ。

 このため、首相自身も25日夜に出演したNHK番組で、20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字化するとしていた政府の財政再建目標について、「達成するのは不可能になった」と、先送りを明言した。首相は国際会議でもPB黒字化をめざす方針を説明してきたが、「国際公約と言ったことはない」とし、新たな達成時期については「もう一度精査しながら判断したい」と述べただけだった。

■3党合意の理念、…

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