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 「自分の国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人を主体とするイラク北部の自治政府、「クルディスタン地域政府」(KRG)が25日、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を実施した。賛成多数となるのは確実で、KRGは独立へ向けた交渉をイラク政府と始める意向だ。

 KRGの選挙・住民投票委員会によると、有権者は18歳以上の住民約550万人。投票は現地時間午前8時(日本時間午後2時)に始まり、午後7時(翌午前1時)に終了した。26日中に大勢が判明する見通し。

 KRGは投票を「イラク政府への従属か自由かの選択」と位置づけ、住民に投票を呼びかけてきた。住民の「独立の意思」を内外に示すには、高い投票率と賛成率が不可欠だ。

 一方、イラク政府や周辺国は「クルド人の独立につながる動きは、イラクを分裂させ、地域を不安定にさせる」として、投票に猛反対してきた。KRGが投票に踏み切ったことを受けて、25日、東隣のイランがKRGとの国境封鎖を表明。北隣のトルコも国境封鎖の検討を始めるなど、地域の緊張が高まっている。

 また、KRGはイラク憲法が認める管轄地に加え、実効支配する油田地帯の北部キルクーク州などイラク政府との係争地でも投票を実施した。投票後の混乱が懸念されている。(アルビル〈イラク北部〉=渡辺淳基