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 100年前の1917(大正6)年10月、大阪府で淀川が決壊し、広範囲で浸水する大洪水が起きた。堤防が切れた高槻市の地名にちなみ、「淀川大塚切れ」と呼ばれる水害だ。発生した1日には、市内で式典とシンポジウムが開かれ、備えの大切さを訴える。

 洪水は台風に伴う大雨で淀川の水位が上昇し、現在の同市大塚町3丁目付近で約200メートルにわたって堤防が切れて発生。浸水は、大阪市西淀川区までの淀川右岸一帯の約59平方キロメートルに及んだ。当時の大阪府警察部によると、被害は死傷者・行方不明者約30人、全半壊や流失した家屋約600戸、床上・床下浸水約1万6千戸に上った。

 水害の教訓を生かし、堤防を高くしたり強化したりしたほか、上流のダムで流量を調節できるようにした。その結果、府内を流れる淀川では堤防の決壊による洪水は起きていない。

 しかし、一昨年9月には茨城県で鬼怒川が決壊するなど全国で豪雨災害が多発。国土交通省近畿地方整備局が今年6月に公表した想定では、千年に1度の規模の大雨に見舞われ、淀川と木津川、桂川で洪水が起きれば、浸水面積は265平方キロメートルに及び、大阪府と京都府の計27市町で被害が出るという。

 そのため、高槻市など淀川流域の自治体と近畿地整は、大水害から100年に合わせ、洪水に備える意識を高めてもらおうと催しを企画した。同市下水河川企画課の担当者は「淀川は100年間決壊しておらず、住民には『水害はない』という安心感がある。住んでいる場所のリスクを把握し、命を守るため何が必要か考えてほしい」と話す。

 10月1日は、堤防が切れた時刻の午前8時半から、同市大塚町3丁目の淀川右岸堤防上に立つ洪水記念碑前で式典が開かれる。午後1時半からは高槻現代劇場(同市野見町)で、NPO法人気象キャスターネットワーク理事長の藤森涼子さんの講演やパネル討論がある。問い合わせは同課(072・674・7432)。(千種辰弥)

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