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 東京・上野の東京国立博物館平成館で開催中の特別展「運慶」(朝日新聞社など主催)。多くは寺に安置された状態とは違って、ぐるり360度から鑑賞できる展示法を採っている。正面からだけでなく、後ろから横から併せて見ると、美術史上屈指の大スターの作品が、さらに質感、力感をもって迫ってくる。

 現存する最古の運慶作品、国宝「大日如来坐像(ざぞう)」(1176年、円成寺所蔵)。デビュー作ながら、はつらつとした表情や体格、髪のふくらみなど写実性に才能が表れていると評される。像のまわりを丹念に鑑賞した東京・国分寺市の男性(72)は「横から見た方が整った姿がよくわかる。背中に丸みもあって、像が空間に浮き上がるようだ」と感嘆した。

 北条時政の発願により造仏した国宝「毘沙門天立像」(1186年、願成就院所蔵)。左に腰をひねり、右手をあげて戟(げき)を持つさっそうとした姿で、新たな武将神を生み出したとされる。神戸市から訪れた男性会社員(39)は「腰の動きや衣のなびく様子を、デフォルメしながらも自然に描写している。後ろから見てもすきがない。後世、こんな見られ方をするかもと予期していたんでしょうか」。川崎市の40代女性も「横から見ることで、運慶らしいボリューム感がはっきりする」と話した。

 上品な姿に描かれた国宝・八大…

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