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 長崎県佐世保市で今年3月、聴覚障害者の女性(当時67)が踏切で列車にはねられて死亡する事故があった。国の運輸安全委員会は28日、警告灯の点滅が角度によって視認できない状態だったため、女性が列車の接近に気づけなかった可能性があるとの調査報告書を公表した。

 報告書によると、事故は3月23日午前11時すぎ、松浦鉄道西九州線の踏切で起きた。遮断機はないが、音と光で列車の接近を知らせる警報装置はあった。だが、踏切脇に設置された警告灯の点滅は正面方向からしか視認できないタイプ。踏切から少し離れた位置からは確認できるが、踏切に近づくと警告灯を横や後ろから見ることになるため、点灯を視認できない状態だった。

 女性は子どものころから耳が聞こえない。事故当時は警報音が鳴り、運転手も警笛を鳴らしたが、立ち止まらなかった。

 事故後、現場の警告灯は点滅が全方位から見えるタイプに変更された。同委は報告書で「遮断機を設置することが望ましい」とも指摘した。(伊藤嘉孝)