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 タイのインラック前首相(50)が在任中のコメ政策で国家財政に巨額の損失を与えたとして、職務怠慢罪などに問われた裁判で、最高裁判所は27日、本人不在のまま禁錮5年の実刑判決を言い渡した。判決はもともと先月25日に予定されていたが、インラック氏が直前に国外に逃亡し、言い渡しが延期されていた。

 問題とされたのは、2011年に首相に就任したインラック氏が導入した事実上のコメ買い上げ制度。政府が農民から市価より高い価格で買い、農民の収入が上がった一方で、政府の財政赤字を招いた。14年5月のクーデターで実権を握った軍事政権は、損失が出ることを知りながら政策を変えなかったことが職務怠慢にあたるとし、インラック氏を訴追していた。

 これに対し、インラック氏は「農民に適切な収入を得させるための有益な政策だった」とし、訴追は政治的な動機に基づくものだと反論していた。

 農民など低所得層向けに手厚い施策をとってきたタクシン元首相や、妹のインラック氏らタクシン派への支持は農村部を中心に依然として根強く、有罪判決に反発して結束を強める可能性がある。判決を受け、来年後半にも予定される総選挙に向けてタクシン派、反タクシン派とも戦略を練り直すことになりそうだ。(バンコク=貝瀬秋彦)