[PR]

 司法修習生に給与を払う「給費制」を国が廃止したのは過去の修習生との差別にあたり、憲法の平等原則などに反するとして、元修習生116人が国を相手取って1人あたり1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。吉村真幸裁判長は「法曹養成の方法は国の政策的判断に委ねられており、給費制廃止は違憲ではない」と述べ、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 同種の訴訟は全国7地裁で起こされている。この日は広島地裁も判決で、元修習生らの訴えを退けた。

 東京地裁の判決によると、国は2004年の裁判所法改正で給費制を廃止し、返済が必要な「貸与制」に切り替えて11年から施行。給費制では住居手当や通勤手当などを支給したが、貸与制は月18万~28万円を無利子で貸しつつ、それまで同様、修習生には「修習専念義務」としてアルバイトなどを禁じた。

 判決は、法改正で「不利益があることは否定できない」としたが、「修習の負担軽減策は国の財政事情などを踏まえて検討される」と指摘。貸与制も「合理的な内容」とした。また、「給費を受ける権利」は「憲法上保障されていない」と判断した。

 弁護団長の宇都宮健児弁護士は判決後、「不当な判決。国の裁量権を大幅に認め、立法をチェックするという司法の役割を放棄している」と批判した。(後藤遼太)