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 文部科学省は29日、東京23区内の私立大学・短大の定員を抑制する告示をした。2018年度は定員増を、19年度は大学・短大の新設を原則として認めない内容。東京の一極集中を緩和するために安倍政権が打ち出した措置の一環だが、小池百合子・東京都知事は反対を表明しており、総選挙の争点にもなる可能性がある。

 23区内の大学に通う学部生は全国の約18%を占める一方、地方では定員割れの私大も少なくない。こうした状況を緩和しようと、政府は6月に23区内の定員を抑える方針を閣議決定し、法整備に向けて有識者会議で検討している。

 今回の告示は法律ができるまでの暫定措置で、18年度の定員増と19年度の大学・短大の新設は申請を認めない。ただし、定員増のための施設整備を今年6月末までに理事会で決めている場合などは、例外として18年度の定員増を認めるという。文科省は当初、19年度も定員増を認めない方針だったが、社会人の「学び直し」などについて政府の議論が進んでいることを踏まえ、結論を先送りした。

 小池氏は以前からこうした方針に反対を表明しており、29日も「到底納得できるものではない」「地方創生や大学のあり方について本質的な議論を喚起すべく、必要な主張をしていく」とコメントを発表。今後も選挙を通じてアピールするとみられる。

 文科省によると、告示案に対する意見公募でも「若者が地方大学で学びたいと考えるようになることが重要」「地方に仕事がなければ、若者は地方に残ることができない」などと、定員抑制に否定的な意見が多かったという。(水沢健一)