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 福島第一原発事故の除染事業をめぐり、発注元の福島県田村市に改ざんした作業員の宿泊領収書を提出し、約7600万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は28日、準大手ゼネコン・安藤ハザマ東北支店の社員2人を詐欺罪で在宅起訴し、発表した。関係者によると、いずれも起訴内容を認めているという。

 起訴されたのは、同支店土木部で現地の作業所副所長だった山下雄一容疑者(48)と工務担当課長だった茂呂吉司(よしじ)容疑者(50)。

 発表などによると、2人は2015年7~9月、同社が田村市から受注した除染事業で、作業員の人数や単価を計4100万円分水増しした宿泊領収書を出し、宿泊費など計7600万円をだまし取ったとされる。

 宿泊費の精算時には、作業員数や宿泊単価を記した実績報告書と領収書などの証明書類が必要。特捜部によると、除染が完了した15年7月末ごろ、同社には1億6100万円分の証明書類しかなかったが、2人は「2億200万円かかった」とする虚偽の報告書と証明書類を市に出したという。特捜部は、領収書がなければ支払われなかった全額を詐取額と判断した。

 同社の調査委員会は、2人が「精算額を多くだまし取る意図はなかった」と当初説明したことや、宿泊費として同社が受け取った額が実際に払った額よりも少ないことから「過大請求、不正受給は認められない」とする報告書を7月末までにまとめていた。だが、2人はその後、特捜部に対し、市からだまし取ろうとして領収書の改ざんを指示したことを認めた模様だ。

 同社は「ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、深くおわび申し上げます。会社としての関与は認められないものの、今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に努めます」とコメントを発表した。