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 首相が「国難突破解散」だと言えば、野党は森友・加計学園問題の「疑惑隠し解散だ」と批判を返す。そこに加えて、民進党が事実上の解党方針を打ち出し、小池新党への合流話が持ち上がる。有権者はそんな騒がしい永田町をどう見たのか。

 若者でにぎわう東京・渋谷駅前。安倍晋三首相が演説する中、友人のツイッターで演説を知り、駆け付けた都内のアルバイト平松健詩(けんじ)さん(22)は「森友・加計学園問題の追及をかわし、真相を隠すための解散で納得がいかない」。演説で首相は森友・加計問題には触れなかった。

 将来、大学進学も考えている。首相は演説で高等教育の無償化に触れたが、「毎年、目玉政策が変わるし、実現してくれるのか」と疑問だ。

 首相の演説中、「国会審議してくださーい」と繰り返し大きな声をあげて通り過ぎる中年の男性もいた。渋谷区の会社経営の男性(40)は「今のタイミングの解散は、自分の立場を守りたいだけではないか。言い訳のようだった」と冷めた表情で演説を聴いていた。

 希望の党代表に就いた小池百合子都知事が自民党衆院議員時代に地盤だった豊島区。医療機器販売の女性(65)は「知事と国政の二足のわらじはどうかなと思う」と懐疑的だ。昨年7月の都知事選では小池氏に投票し、知事としての成果を期待しただけに、今回の判断は「がっかり」だという。「選挙になったら誰かを選ぶしかないけど、今は誰を選んだらいいのかまったく見えない」と嘆く。

 品川区の保育士千葉智栄子さん(77)は2年前の衆院選で民主党(当時)の候補に、7月の都議選でも民進党候補に投票した。しかし、品川区の一部が入る東京3区では今回、民進を離党し、希望の党に合流した前職が立候補を予定する。「離党して新党に入ったのは驚いたし、裏切られた気分だ。自民党には不信感があるし、小池さんは何を企んでいるか分からない。誰に投票したらいいのか……」。

 政党の理屈で振り回されることに困惑している。

■衆院選の「台風の目」になっている小池百合子都知事のおひざもと東京の有権者は……

豊島区 写真家の荻沼秀和さん(49)

 「首相は『国民に信を問う』と簡単に言うが、何で今なのか、理由がない解散で反対だ」

世田谷区 会社員の比留川沙弥さん(25)

 「どこの党も信頼できない。自民党は森友学園と加計学園問題の追及をかわそうとして解散し、小池都知事はカリスマ性はあるけど、都政と国政の両立は難しいだろう」

品川区 主婦の海老沢由香里さん(39)

 「5歳と1歳の娘がいる。ミルクやオムツなどの日用品は少しでも安い店を探し、出来るだけつつましく暮らしている。それなのに、新党結成だ、解散だという永田町の騒ぎを冷ややかな気持ちで見ている」

江東区 会社員の中村智子さん(39)

 「希望の党の結成も、民進党の合流も、野党が実績を残せなかった結果だと思う。選挙では具体的にわかりやすく政策を訴えて欲しい」

品川区 八百屋経営の下山幸吉さん(82)

「安倍首相も小池都知事も周囲にちゃんと『NO』が言える人がいないのではないか。次に誰が首相になるにしても、きちんと意見できるブレーンがいて欲しい」