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 韓国統一省関係者は28日、北朝鮮の朝鮮労働党創建記念日である10月10日や、中国共産党大会が開幕する10月18日の前後に北朝鮮が軍事挑発する可能性があるとの見方を示した。韓国政府は28日、「国軍の日」記念式で最新兵器を公開したが、防衛体制が完成するには更に数年間が必要とされ、政府内には焦りが広がっている。

 統一省関係者は、北朝鮮が核実験を行った9月3日が、中国で主要新興5カ国BRICSの首脳会議の開幕式があった当日だったことから、中国を意識して挑発に出る可能性もあるとの見方を示した。韓国大統領府国家安保室も27日夜、与野党幹部に同様の説明を行った。

 文在寅(ムンジェイン)大統領は28日午前、京畿道平沢(キョンギドピョンテク)で行われた「国軍の日」記念式で演説し、「無謀な挑発には強力な報復で対抗する」と強調。先制攻撃や韓国型弾道ミサイル防衛、報復攻撃などの整備を急ぐ考えを示した。式典では早期警戒機や弾道ミサイルなどが公開された。ただ、こうした防衛体制が完成するのは早くても2020年代初め。文氏は27日夜の与野党幹部との会合で、「3~4年待たなければならない」と述べ、焦燥感をあらわにしたという。

 また鄭義溶(チョンウィヨン)・大統領府国家安保室長は27日の会合で、空母や戦略爆撃機などを含む米戦略兵器を韓国周辺に定期的に派遣する巡回配備が、年末にも始まるとの見通しを示した。ところが韓国政府関係者は28日午前、一転して年末の実現は難しいとの見方を示した。米韓関係筋によれば、米側は中ロとの軍事バランスが崩れて不必要な摩擦を起こすことを警戒し、慎重に対応しているという。

 韓国の軍事専門家の一人は「当面の危機に対応する議論が全くできていない」と懸念を示した。(ソウル=牧野愛博)

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