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 日本の衆院解散に関し、米国務省は27日、「米国は、地域と世界の幅広い課題について、不動の同盟国である日本の政府と、引き続き協力していくことを期待している」と短いコメントを出した。

 日本の解散総選挙について、米国の関心はあまり高くない。CNNは安倍晋三首相が衆院を解散した事実を短く報じた程度。米政府から日本政府に対し、解散に関する問い合わせもほとんど無いのが現状だ。

 トランプ政権の本音は安倍政権の続投だ。北朝鮮問題を重要課題に置くトランプ米大統領は、北朝鮮問題を通じて強い米国を打ち出すと同時に、国防費の増強と中国との貿易摩擦解消を狙う思惑もちらつく。

 ただトランプ氏と金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の激しい非難合戦には、不測の事態につながりかねない危うさを国際社会は抱く。そんな中、無批判で米国に寄り添う安倍政権はトランプ氏にとって貴重な存在だ。

 政治リスク・コンサルタント「テネオ・インテリジェンス」の日本政治アナリスト、トバイアス・ハリス氏は「ワシントンの視点から言えば、米政権は日本に同じ顔を求めている。オバマ前政権時のような、短命政権や政権交代が起きる予測不可能な状況は好ましくないと感じている」と指摘する。

 小池百合子東京都知事が率いる希望の党についてハリス氏は「一部の専門家を除き、米政権は日本で何が起きているか、ほとんど知らない」と話す。ただ安倍首相の不支持率が高く、世論調査でも安倍首相への信頼度は落ちていると指摘。小池氏が東京都議会選の時のように、安倍政権のスキャンダルを攻撃すれば状況は大きく変わる可能性があるとし、「まだ選挙運動は始まっていない。チェスの盤は用意されたが、誰も駒を動かしていない」と語った。

 ウォールストリート・ジャーナル紙は社説で、解散・総選挙に打って出ながら敗北した英国のメイ首相になぞらえて「安倍氏は、長く待っていると勝機を逃すという恐怖から選挙に打って出た。危ういのは、日本の有権者が選挙で問いかける明確な理由を示さない指導者に背を向けることだ」と批評した。(ワシントン=土佐茂生)