[PR]

 フィギュアスケートペアの須藤澄玲(神奈川ク)、フランシス・ブードロオデ(カナダ)組が、平昌五輪最終予選を兼ねてドイツ・オーベルストドルフで行われているネーベルホルン杯で健闘している。28日のショートプログラム(SP)は54・36点で11位。枠を争う国の中では6番手につけた。出場枠を獲得していない国・地域で5枠を争い、29日のフリーに臨む。

 須藤、ブードロオデ組は森山直太朗の「さくら」の曲に合わせてにこやかにSPで演技した。福島県に住む祖母が東日本大震災で一時避難し、避難者同士で助け合ったことを聞いたという須藤は「見た方々が、希望を持ち、幸せになってほしい」と思いを語る。演技直前に2人で「笑顔」と声を掛け合った。得点が伸び悩んだが、「今季の中ではいい演技」とうなずいた。

 昨季の世界選手権、SPで自己最高の61・70点を出すなど健闘して17位。須藤は「(2015年に)2人で組んでから一番いい演技ができたが、(上位16組による)フリーに進めなかった悔しさがあって、もう1シーズンやることになりました」。

 ブードロオデは日本語を勉強中で、徐々に上達している。持ち歩くノートに、「いっしょうけんめいがんばります」「日本のうちでくつをぬがないといけません」など、母語のフランス語と共に日本語で書いている。日本が好きで、「食べ物、電車のトランスポーテーション(交通網)、日本は完璧です」と話す。

 ブードロオデが日本国籍を持っていないため、五輪出場はかなわない。しかし、日本で実力トップの2人が枠取りの重責を担うという複雑な事情を抱える。枠を取れば、他のペアが五輪に出る。須藤は「日本代表として枠を取ろうという気持ちはある」と、涙をこらえて話したことがある。

 五輪枠確保は手の届く範囲にある。フリーに向け、2人は「できることをやる」と決意を語った。(後藤太輔