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 森友・加計問題で追い込まれた安倍晋三首相の突然の解散。小池百合子・東京都知事の新党結成で加速する政策論争を置き去りにした野党再編。混沌(こんとん)とした政治の底流には、一体何があるのでしょうか――。

 哲学者の内田樹・神戸女学院大名誉教授(67)が「身内ファースト」の政治がはびこる背景を語ります。

 北朝鮮ミサイル問題で政権の支持率が回復し、野党第1党の民進党が離党ドミノで弱体化しているのを好機と見て、安倍晋三首相は国会解散を決めました。

 ところが、思いがけなく小池百合子・東京都知事の新党が登場し、そこに民進党が合流することになり、いきなり自民党は主導権を奪われてしまった。

 このカオス的状況を歓迎する気分にはなれません。民進党の議員たちは「安保法制反対・改憲反対」を捨て百八十度逆の立場に立たなければ公認されない「踏み絵」を踏まされようとしています。自民党以上に新自由主義的で排外主義的な新政党が「受け皿」として登場しようとしている。

 ただし、日本だけの特殊事情ではありません。世界中どこの国でも、仲間うちだけで固まり、仲間うちの利益だけを優先する「身内ファースト」的な政治勢力が大衆的な支持を得つつあります。英国のEU離脱も、トランプ米大統領の登場も、新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の進出も、希望の党も同じ文脈の中の出来事だと私は解釈しています。

 けれども、これは現に起きつつ…

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