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■女王アリの研究者:後藤彩子さん(37)

 女王アリの寿命は長い。働きアリは何年も生きられないとみられているのに、ほとんどの種で10年以上。29年との記録もある。その間、巣穴で卵を産み続け、交尾は生涯のごく初期に一度きり。精子を生きたままため込む不思議な袋が体内にある。この「受精囊(のう)」の謎に迫る研究で世界の先頭を走る。

 研究室は六甲山の南麓(なんろく)にある。在来種の「キイロシリアゲアリ」を中心に数万匹以上の女王アリを飼育している。女王は、夏から初秋のある日、生まれ育った巣から一斉に飛び立ち、コンビニなどの明かりに群がる。そこを一網打尽にする。「無事捕まえ終わるまで、夏は気持ちが落ち着きません」

 子どもの頃から「アリ好き」だった。自宅の近所で行列をながめる日々。自然と、進路はアリ研究に向かった。先人の研究は、アリの社会性に関するものが多い。特に女王は、大量飼育に手間がかかることもあって、遺伝子レベルで体の機能を調べる研究はほとんど手つかずの状態だった。

 そこで、受精囊だけでよく働く…

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