[PR]

 中国商務省は28日、国連の安全保障理事会決議に基づいて、北朝鮮の企業や個人が中国で設立した合弁企業などに対し、11日の決議から120日以内に閉鎖するよう求めた。安保理決議という国際社会の合意を得た制裁について率先して実施を表明することで、北朝鮮を孤立させるため単独制裁を進めるトランプ米大統領を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

 今回の措置では、北朝鮮企業のほか、中国企業が外国で北朝鮮の企業や個人とともに設立した合弁会社なども対象になる。

 北朝鮮と接する中国東北部の遼寧省や吉林省には、服飾や食品加工などの製造業や貿易業、北朝鮮系レストランを経営する飲食業などで中朝の合弁企業がある。中朝貿易に長く携わる貿易商によると、こうした企業は北朝鮮の外貨獲得源である一方、中国側も北朝鮮労働者を受け入れやすく、人件費を抑制できるメリットがあった。ただ規模は小さく、地域経済への影響は限定的とみられる。

 中国は22日にも安保理決議に基づき、10月から北朝鮮への石油精製品の輸出制限や繊維製品の禁輸などを実施すると発表している。今後、決議に含まれているものの、中国が態度をあきらかにしていない北朝鮮への原油の輸出制限や、北朝鮮労働者の契約更新禁止などについても履行が発表される可能性がある。

 北朝鮮をめぐっては、ティラーソン米国務長官が訪中し、30日にも王毅(ワンイー)外相らと会談。トランプ氏の11月訪中をにらんで、中国側と圧力強化について話し合う予定だ。中国政府はこうした機会を前に、話し合いの環境を整える意味合いもあるとみられる。(北京=福田直之、瀋陽=平賀拓哉)